Blue Leaf
生まれなかった30年
2026年3月 福岡にて 日本の時価総額上位企業は30年間、ほとんど変わっていません。トヨタ、三菱UFJ、ソニー、NTT——顔ぶれは令和になっても昭和の延長線上にある。 一方でアメリカはどうか。30年前にはまだ存在すらしていなかった企業が、今や世界の時価総額ランキングの上位を独占しています。Google、Amazon、Tesla——これらはすべて「生まれた」企業です。 日本で起きたのは「失われた30年」ではない。正確に言えば「生まれなかった30年」です。既存の産業が衰退したのではなく、新しい産業が生まれなかった。これが本質的な問題です。 なぜ生まれなかったのか スタートアップの数は増えました。資金も流れるようになった。優秀な人材もスタートアップに挑戦するようになった。それでも「産業」は生まれていない。 理由は明確です。日本のスタートアップエコシステムは、個々の企業を育てることには成功しつつありますが、「産業をつくる」という視座が欠けている。ひとつのユニコーンが生まれても、それは「点」にすぎない。産業とは「面」です。 アメリカのシリコンバレーでは、ひとつの技術革新が周辺産業を巻き込み、サプライチェーンを変え、雇用を生み、都市の景色すら変えていく。テスラが生まれれば、バッテリー産業、充電インフラ、自動運転ソフトウェア——ドメインそのものが立ち上がる。 金融機関にしかできないこと だからこそ、私はみずほに来ました。KDDIで10年以上、新規事業とスタートアップ投資に携わってきた経験から確信しています——産業をつくるには、技術だけでは足りない。資本の力、そして社会インフラとしての金融機関の信用が必要です。 Blue Lab Fundは、ストラテジックリターンを一切見ません。世の中で伸びそうなところ、日本が世界で勝てそうなところに広くベットする。従来のCVCとは根本的に異なるアプローチです。 次の30年を「生まれる30年」にするために。それが、Blue……